迎賓館本館は、明治42年(1909年)に東宮御所(後の赤坂離宮)として、明治時代の代表的な建築家「片山東熊」の総指揮の下に、建築、美術、工芸等各界の代表的な人々が総力を結集して建設された洋風宮殿建築です。
戦後、皇室から衆議院へ移管され国立国会図書館などに使用されてきましたが、昭和42年に「旧赤坂離宮」を改修して迎賓館にあてることが閣議決定され、文化財保護委員会の要望や学識経験者の懇談会で了承された方針を尊重しながら、建築家「村野藤吾」監修のもと改修工事(昭和の大改修)が行われ、昭和49年(1974年)に迎賓館として完成しました。
その後、迎賓館として完成後30年以上が経過し、施設の不備や老朽化により国賓等の接遇に支障を来すおそれがあることから、大規模な改修が必要となったため、「迎賓館本館総合改修検討委員会」で示された、「昭和の改修後の意匠を極力維持保全することを原則とし、老朽化や社会的変化に伴う接遇上の新たなニーズについて、建築・設備の総合的な改修を行う」ことを基本方針とし、迎賓館及び歴史的建築物としての文化財的価値を維持し機能の向上を図る改修工事(平成の改修)が行われ、平成21年(2009年)に完成しました。
また、創建時より100年目である平成21年10月に、近代建築としてはじめての国宝に指定されました。
外観
彩鸞の間
創建当時の名称 : 東宮御所
所 在 地 : 東京都港区元赤坂2-1-1
構 造 ・ 規 模 : 鉄骨補強煉瓦造 地上2階、地下1階
原 設 計 者 : 【創建時】 片山東熊(総指揮)
【昭和の大改修】 村野藤吾(監修)
【平成の改修】 国土交通省大臣官房官庁営繕部
竣 工 年 : 明治42年(1909年)
保 存 方 法 : 文化財的価値の保持、特に外観及び内装飾の極力原型の維持保存
そ の 他 : 国宝指定(平成21年10月16日)