裁判所旧庁舎は空襲により焼け落ちたため戦後に復元されました。現庁舎を新築する際に旧庁舎の外壁を保存するにあたって、煉瓦の強度が再生に耐えるかについて種々検査した結果、煉瓦に十分な耐力のあることが確かめられました。
そこで、その外壁の一部(南正面及び東・西面)を利用して、旧面積の3倍強の面積を持つ庁舎として再生することにしました。
強く主張を表現している煉瓦壁、手作業による繊細なディテール等との対比、形態の相違等の種々検討を重ねた上でホリゾント効果(背景用の幕や壁を意味します。空や空間を表したりします。)を狙ったガラスのカーテンウォールを採用しています。これによって明治の外壁を強調するとともに本建物が未来へと繋がっていくことを願っています。
創建当時の名称 : 神戸地方裁判所
所 在 地 : 兵庫県神戸市中央区
構 造 ・ 規 模 : れんが造 地上3階
原 設 計 者 : 司法省(河合 浩蔵)
竣 工 年 : 明治37年(1904年)
保 存 方 法 : 外壁保存
そ の 他 : 改築後 鉄骨鉄筋コンクリート造 地上5階、地下1階、塔屋1階