横浜税関本関は、大正12年(1923年)の関東大震災で既存庁舎が倒壊焼失し、復興事業の一環として昭和9年(1934年)に再建されました。当時は横浜で最も高い建物でした。イスラム風の塔や連続アーチなどの優雅なたたずまいから「クイーンの塔」の愛称で長年親しまれ、竣工以来約70年を経て、建物・設備の老朽化や執務スペースの不足を解消するため、改修・増築を行い、平成15年(2003年)に竣工しました。
改修・増築にあたっては、都市景観への配慮から街路に面する建物の3方はそのまま保存・活用し、外観の改変を最小限にとどめています。また、新たに西側及び中庭部分に増築することで、柱のない広々とした執務空間を確保しています。
本庁舎は、平成13年(2001年)に横浜市認定歴史建造物に認定されたほか、平成22年(2010年)には公共建築賞を受賞しており、横浜港の歴史的なシンボルのひとつとなっています。
クイーンの塔(横浜税関本関)
創建当時の名称 : 横浜税関 本関
所 在 地 : 神奈川県横浜市中区
構 造 ・ 規 模 : 鉄骨鉄筋コンクリート造 地上5階
原 設 計 者 : 大蔵省営繕管財局(吉武 東里)
竣 工 年 : 昭和9年(1934年)
保 存 方 法 : 復原保存
そ の 他 : 増築部:鉄骨造 一部 鉄骨鉄筋コンクリート造 地上7階
横浜市認定歴史的建造物(平成12年度)