国際子ども図書館の前身である帝国図書館の建物は、明治政府によって計画案がまとめられ、明治39年(1906年)に開館しました。予算の都合上、全体計画の一部しか完成しませんでしたが、蔵書数42万冊を誇る東洋一の図書館建築といわれました。
昭和4年(1929年)に増築工事が行われましたが、当時の社会情勢から当初計画の約1/3の姿に留まったままとなり、戦後、昭和24年(1949年)には国立国会図書館に統合され、支部上野図書館として利用されてきました。
その後、国内外の児童図書等の収集・保存・提供等の図書館サービスを行う国立の児童書専門図書館の設置に対するニーズの高まりを受けて、国立国会図書館国際子ども図書館として平成12年(2000年)5月に一部を開館し、平成14年(2002年)に全面開館しました。
開館にあたり、国内初の組積造免震レトロフィット工法を用いて増築を行うなど、防災・耐震性の向上を図るとともに、未完の「旧帝国図書館」を保存するために明治以来の風合いをできるだけ残すように努めました。
創建当時の名称 : 帝国図書館
所 在 地 : 東京都台東区
構 造 ・ 規 模 : 鉄骨補強れんが造・鉄筋コンクリート造 地上3階、地下1階
原 設 計 者 : 文部省(久留 正造、真水 英夫他)
竣 工 年 : 明治39年(1906年)
昭和4年(1929年)
保 存 方 法 : 外観を復原・保存
そ の 他 : 増築部 鉄骨鉄筋コンクリート造他
東京都選定歴史的建造物(平成11年度)