第4章 国内観光振興のための幅広い施策の展開 ―地域と旅行者との触れ合いの進展―

序説 停滞続く国内観光

 国内観光は、我が国の様々な地域の歴史、文化、自然に直接触れることのできる貴重な機会であるばかりでなく、国民の余暇活動の中枢であり、21世紀において豊かさとゆとりを実感できる社会の実現を目指す上で、重要な役割を果たすことが期待されている。また、国内観光は地域の交流人口を増大させるとともに、交流に伴う諸活動を通じて所得と雇用を創出し、地域の活性化と振興に貢献している。
 こうした意義を有する国内観光は、近年の我が国の社会の構造変化等によるニーズの変化、海外旅行との同一市場化、長期化する景気の低迷などに直面し、停滞傾向を続けている。
 このような国内観光をめぐる現状を踏まえ、国内観光振興のための取組みとして1国・地方公共団体等の連携による観光振興、2旅行に係る消費者保護・サービス向上、3観光資源の保全・保護、4観光レクリエーション施設等の整備、5観光関連施設の整備、6宿泊・休養施設の整備、7観光基盤施設の整備、8観光に係る安全確保対策等を講じている。
 さらに、9各地方公共団体においても、国内観光を取り巻く厳しい状況を改善するための様々な取組みが行われているところである。