第5節 観光関連施設の整備施策の展開
第5節のポイント
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国立博物館、国立美術館等
国立博物館は、文化財の収集・保管・陳列及び調査研究などを行う機関として、東京、京都、奈良に設置している。
東京国立博物館は、日本古美術の総合的な博物館として、京都国立博物館は、京都文化を中心に、奈良国立博物館は、主として仏教美術を中心とした美術工芸品を、それぞれ収集・保管・陳列及び調査研究を行っている。
また、奈良国立文化財研究所の飛鳥資料館においても、飛鳥地域の文化財を収集・保管・陳列している。
さらに、新しい国立文化施設の整備として、九州国立博物館(仮称)(福岡県太宰府市)の設置に向けた準備を進めている。
国立美術館は、美術品の収集・保管・陳列及び調査研究などを行う機関として、東京(東京国立近代美術館、国立西洋美術館)、京都(京都国立近代美術館)、大阪(国立国際美術館)に設置している。
東京国立近代美術館では、近代美術に関する作品等を、国立西洋美術館では、フランス政府から寄贈返還された松方コレクション及びその他の西洋美術に関する作品を、京都国立近代美術館では、工芸を主体とした近代美術に関する作品等を、国立国際美術館では、日本美術の発展と世界の美術との関連を明らかにするために必要な美術に関する作品等を収集・保管・陳列している。
さらに、美術への関心の高度化、美術活動の活発化に対応するため、新国立美術展示施設(ナショナル・ギャラリー)(仮称)の設置準備を進めている。
なお、11年度の国立博物館及び国立美術館の文化財、美術品の保管状況及び入館者数は、表4-5-1のとおりである。
国立科学博物館
公立博物館
地方公共団体が設置する博物館の設置整備に対して補助を行っている。
また、博物館の機能を積極的に活用するため、参加体験的な展示の開発、ハンズ・オン(自ら見て、触って、試して、考える)活動、学芸員等博物館を支える人材の養成、博物館の所蔵品に親しむ機会の拡大(所蔵品の公開の促進や巡回展示等)などを行うとともに、博物館を中心に関係機関、団体等がネットワークを形成し、多様な事業を実施している。
(2)国立劇場等
日本芸術文化振興会は、芸術文化の振興と普及を図る活動に対する援助を行うための芸術文化振興基金の運営、伝統芸能の保存と振興を図るための国立劇場の運営及び現代舞台芸術の振興と普及を図るための新国立劇場の運営を行っている。11年度は、国立劇場において、歌舞伎、能楽、文楽、雅楽、邦楽、邦舞、民俗芸能、大衆芸能等合計157公演(1,000回)の主催公演を行った。また、オペラ、バレエ、現代舞踊、現代演劇など我が国現代舞台芸術振興の拠点となる新国立劇場においては、オペラ、バレエ、現代舞踊、現代演劇の合計27公演(240回)の主催公演を行った。
一方政府は、沖縄振興策の一つとして、組踊等沖縄伝統芸能の保存振興と、伝統文化
を通じたアジア・太平洋地域の交流の拠点となる「国立組踊劇場(仮称)」の設立を進
めている。
(1)体育・スポーツ施設
我が国の体育・スポーツ施設数は約30万か所であり、小・中・高・高専・大学等の学校体育施設が最も多く、次いで運動広場、体育館、水泳プールなどの公共スポーツ施設となっている。
市町村が行う学校体育施設の開放を推進するとともに、地域住民が主体的にスポーツや健康に関する活動を円滑に行うための中核施設となる各種の地域スポーツセンターを整備する地方公共団体に対して補助を行い、公共の体育・スポーツ施設の整備に努めている。
国立競技場の施設は、霞ケ丘、代々木、西が丘等において、陸上競技場、体育館、水泳プール、ラグビー場などの各種施設が管理・運営されており、国際的な競技大会に利用される一方で、各種スポーツ大会や音楽ショーにも利用されている。
11年度の、各種競技大会の入場者は228万人、施設の利用者(個人及び団体)は約49万人であった(表4-5-2)。
(2)青少年教育施設
国立オリンピック記念青少年総合センター
国立オリンピック記念青少年総合センターを「21世紀における青少年の総合センター」として総合的・計画的に整備するため、3年度から改築に着手している。平成12年度においては、13年4月の独立行政法人化に向けて、引き続きカルチャーゾーン等の建設を進めた。なお、11年度は94万人が利用した。
国立青年の家
団体宿泊活動等を通じて健全な青年の育成を図ることを目的とする教育施設であり、全国13か所に設置されている。
各青年の家とも、研修室をはじめ宿泊室、講堂、体育館、食堂、浴室等を有し、青年の家によっては、キャンプ場、カッター訓練等のための海洋研修施設、スキー場等が整備され、それぞれの立地条件をいかした特色のある研修ができるようになっている。
12年度は、13年4月の独立行政法人化に向けて、施設の整備や事業の充実を図った。なお、11年度は148万人が利用した。
国立少年自然の家
少年を自然に親しませ、団体宿泊活動等を通じてその健全な育成を図ることを目的とする教育施設であり、全国に14か所設置されている。
各少年自然の家とも、自然環境に恵まれた場所に位置し、それぞれの立地条件をいかした特色のある研修ができるようになっている。
12年度は、13年4月の独立行政法人化に向けて、施設の整備や事業の充実を図った。なお、11年度は134万人が利用した。
(3)電源地域における公的観光レクリエーション施設
地域住民の福祉の向上を図り、もって発電用施設の設置の円滑化に資することを目的として、発電用施設の周辺地域において公共用施設の整備を行っている。
12年度は運動場、体育館、広場、遊歩道などのスポーツ・レクリエーション施設等14件の施設整備を行った。
(4)スカイレジャー用施設
超軽量動力機、パラグライダー、滑空機、熱気球等のスカイレジャーは更に盛んになることが予想されるため、「優良スカイレジャーエリア認定制度」による安全性、利便性の高いエリアの整備を進めるとともに、関係スポーツ航空団体を通じた安全教育の充実、「スカイ・レジャー・ジャパン」等のイベントの開催支援等により、スカイレジャーに係る安全確保及び振興・普及に係る施策を進めている。
また、(社)日本滑空協会及び(社)日本ハンググライディング連盟において、滑空場の整備及びスカイスポーツに係る安全確保のための事業を行うとともに、スカイスポーツ団体等の支援を行うため、日本体育・学校健康センターのスポーツ振興基金から、大会や講習会等への助成を行っている。
北海道においては、(社)北海道スカイスポーツ協会が「北海道スカイスポーツフェア」の開催等総合的な振興事業を実施している。