現在政府においては、「行政情報化推進基本計画」(平成6年12月25日閣議決定、平成9年12月20日改定)等に基づいて、行政の情報化を推進している。
建設省においても、「建設省行政情報化推進計画」(平成7年5月30日情報政策推進委員会決定、平成10年5月28日改定)等を策定し、平成7年度に運用を開始した「建設本省LANシステム」(LAN回線で接続された職員1人1台のパソコン環境)の一層の充実や活用方策の検討を進めるなど、建設行政の情報化を図ってきている。
平成9年度においては、4月に、建設省ホームページ上で、一般の方々から建設行政に関する意見・提言等を聴取し、それに対する回答を行う「建設行政に関する意見提案コーナー」及び「建設行政に関するQ&A」を開設するなどホームページ等の一層の充実を行った。
また、平成9年7月18日の「電子化に対応した申請・届出等手続の見直し指針」の改定を踏まえ、平成8年度に策定した建設省における許認可等申請手続きの電子化に係る実施計画のフォローアップを行うとともに見直しを行った。
平成10年度においては、5月25日より建設本省LANと地方建設局等のLANとをネットワークで接続する建設行政WANを本格運用するとともに、建設行政WANにイントラネットを導入した。
また、国民と行政側とのネットワークを強化し、職員のインターネット利用環境の向上を図るとともに、建設行政情報を国民等に提供するためのクリアリングシステム(行政情報所在案内)及び白書等データベースの運用を開始する。
一方、政府は、住宅社会資本の整備に伴い各種施設の適切な維持管理や効果的な運用が重要となっており、システム化、情報化による施設管理の効率化、高度化が推進されている。
阪神・淡路大震災を契機に、建設省では、災害時における情報収集・伝達の機能を強化するとともに、防災情報を広く国民に提供するための総合的な防災情報通信基盤として、建設省、官邸、国土庁等の中央の防災機関、都道府県、公団等の関係機関を結ぶ総合防災情報ネットワークの強化・拡充を推進している。平成9年度は、関係機関相互の多重無線回線のディジタル化、複ルート化をするとともに、災害現地等から情報収集機能を充実するため小型軽量で機動性に優れた衛星通信設備(Ku-SAT等)やディジタルカメラで撮影した画像とコメントを同時に伝送する建設フォトメール等の整備を開始した。平成10年度においては、河川情報システム、道路交通情報システム、地震計ネットワーク等の防災系イントラネットに関する技術開発を推進する。
また、建設省では、施設管理の高度化を図るため、河川、道路空間等を活用した施設管理用光ファイバの敷設を推進している。平成9年度は、光ファイバネットワークの構築に向けた技術標準の策定に着手した。平成10年度には、ネットワークを構成する接続機器の標準化、アプリケーションの開発、光ファイバ管理システムの開発、多重無線回線と光ファイバネットワークを有機的に連携するための技術開発を推進する。