(まとめ)
以上をまとめると、大都市圏をはじめ、国際競争力のある「魅力」を持った国土構造の構築のためには、
1)インフラ面では著しく遅れている大都市圏の環状道路などのネットワークの整備
2)既成市街地の再構築や都心居住をはじめとした都市構造の再編
3)ITの活用によるSOHO形式を含めた新たな都市型産業の興隆
4)海外の目を引きつける我が国の個性や歴史、文化に根ざしたまちづくりやホスピタリティ(おもてなしの心)の醸成
が必要である。
なお、国際競争力の確保のためには、このほかにも不可欠な取組みがあろう。例えば、
5)海外から有能な知識・技術・情報を持った人材や国際的機関が魅力を感じて集まるような日本社会における条件整備
6)先進的な地域の行政・住民・事業者による、例えば環境や交通問題のように世界の諸都市が取り組むべき問題を解決するため、地域の各種政策・資源・サービスを率先して結集・統合・管理し実践する実験都市のような取組み(
注)を通じた、国際的評価の向上
7)国際都市としての自覚や世界各国との共生のこころを持った市民精神の醸成
などが考えられるが、これらは行政の取組みだけでなく、国民や企業など「民」の「公(パブリック)たる自覚と参加」なくしては達成し得ない課題であると言えよう。
(注)取組みの事例:1)フライブルグ(独・人口19万人)…交通・土地利用・廃棄物処理・省エネ対策を一元的な環境政策として展開
2)スウィンドン(英・人口18万人)…国際ビジネス拠点を目指す電子マネーの実験都市