(2)建築規制体系の抜本的見直し
規制緩和、国際調和等新たな時代の要請に的確に対応するため、平成9年3月24日に建築審議会より提出された「二十一世紀を展望し、経済社会の変化に対応した新たな建築行政の在り方に関する答申」を受け、民間機関による建築確認・検査制度の創設、建築基準への性能規定の導入を始めとする基準体系の見直し、建築確認の円滑化のための新たな手続制度の整備、中間検査制度の創設、一定の複数建築物に対する建築規制の適用の合理化等を内容とする建築基準法の一部を改正する法律が平成10年6月12日に公布され、施行されたところである。
イ 民間機関による建築確認・検査制度の創設
建設大臣又は都道府県知事の指定を受けた民間機関(指定確認検査機関)は、建築主事と同様に、建築確認及び検査を行うことができるものとする。この場合において、指定確認検査機関において建築確認及び検査を実施する者について、資格検定を行うとともに、その登録制度を設けるものとする(平成11年5月1日施行)。
ロ 建築基準法への性能規定の導入を始めとする単体規制の見直し
特定の工法、材料、寸法等の仕様により建築基準を規定する従来の規制方式に加えて、単体規制のうち必要な技術的知見が得られた規制項目について、建築物が満たすべき性能を基準として明示し、当該性能を有することを一定の方法により検証する規制方式を導入するものとする(平成12年6月1日施行)。
ハ 建築基準の円滑化のための新たな手続制度の整備
建設大臣が一定の建設設備等について、あらかじめその型式が一連の建築基準に適合することを認定した場合には、建築主事等による建築確認・検査の段階での審査を簡略化し、申請者及び建築主事の負担軽減を図り、手続きの円滑化に資するものとする(平成12年6月1日施行)。
ニ 中間検査制度の創設
建築主は、特定行政庁が指定する建築工事の段階ごとに、建築主事又は指定確認検査機関の中間検査を受けなければならないものとする(平成11年5月1日施行)。
ホ 一定の複数建築物に対する建築規制の適用の合理化
既存の建築物と連担して建築物を建築する場合において、特定行政庁が各建築物の位置及び構造について安全上、防火上及び衛生上支障がないものと認定したときは、これらの複数の建築物を同一の敷地内にあるものとみなして、容積率制限や建ぺい率制限等の建築規制を適用するものとする(連担建築物設計制度、平成11年5月1日施行)。