1 建設産業における市場環境整備への取組み (建設産業の再生に向けた取組み)  我が国経済が低迷する中で、大きな構造変化に直面している建設産業のあり方は、国民や市場の大きな関心事となっている。建設産業についても、個々の企業の勝敗は市場で決まるが、単にリストラに成功した企業が生き残るだけでなく、淘汰の時代を迎え、企業間の公正な競争を通じ、21世紀の経済社会のニーズに応えられる創造力と活力を有する産業となることが求められている。  このような建設業の再生は、基本的には、各企業の自己責任、自助努力により進めて行くべきものであるが、行政においても、将来展望を提示しつつ、企業の多様な選択を可能にする環境整備と競争性を重視した公正な市場環境整備を行うことが必要である。  このような観点から、量的な側面だけでなく質の面をも重視した経営への転換、企業の連携強化による経営力・技術力の充実など、新たな企業経営の展開が進められており、大手クラスを中心に総合建設会社の再生に向けた努力を促し、企業自身による「経営組織の革新」と「連携の強化」の動きが加速するような競争的な市場環境の整備を進めているところである。  具体的には、企業の多様な選択を可能にする競争的な市場環境整備を目指し、経営組織の革新と連携の強化への対応、情報開示による透明で公正な市場の確保、ニーズの変化に応える市場づくり、公共工事における競争性・透明性の確保などに取り組んでいるところである。