(公物管理におけるボランティア活用策)  公物管理におけるボランティア活用策の一つである「アドプト・システム」は1985年にアメリカ・テキサス州交通局により始められた。当初は「アドプト・ア・ハイウェイプログラム」として、「みち」を市民が「子」にする仕組みである。当時、テキサス州は高速道路に散乱するごみの清掃に費用が増加し続けることに対し、市民へのボランティア協力を呼びかけることで始まった。この動きはアメリカ国内に留まらず、カナダ、メキシコ、プエルトリコ、ニュージーランド、オーストラリア、日本へと広まった。  我が国では、道路や河川などで、市民のボランティア団体、地元企業、青年会等が道路や河川の区画を「子」とする行政との合意書に基づいて、清掃活動、花壇の手入れなどを行っている。行政側は、ボランティア団体等の名の入ったサインボードの設置を認めるほか、保険費用の負担等の支援を行う(図表4-2-11)。 〈事例〉 ・「アドプト・プログラム吉野川」(吉野川交流推進会議(徳島県)) ・「クリーンアップ神山」(アドプト・ア・ハイウエイ神山会議(徳島県)) ・「みのしま アドプト・ア・ストリート」(みのしま連合商店振興組合、福岡市あき缶・びん対策協会(福岡県)) ・「あいロード」(建設省四国地方建設局松山工事事務所、今治市、久万町(愛媛県)) ・「アダプション・プログラム」(善通寺市(香川県))