(6)個性あふれる活力ある地域社会を形成する治水事業 イ 市町村の自主性のもとに進める治水事業の推進  きめ細かな河川環境の整備・保全やまちづくりと一体となった河川整備を進めるため、市町村長が事業主体となる都市基盤河川改修事業及び河川環境整備事業について、直轄区間における市町村施行を可能とし、指定区間内の一級河川及び二級河川について政令指定都市の長が管理できることとする。また、準用河川改修事業、ふるさと砂防事業を推進し、市町村の自主的な取組みを支援する。  さらに、市町村の発意による支援要望を広く公募し、河川を基軸とした地域の交流拠点となる「水辺プラザ」整備、子どもたちの遊び、自然体験の場となる「水辺の楽校プロジェクト」「「子どもの水辺」再発見プロジェクト」等を市町村と連携しつつ積極的に推進する。 ロ 地域の活力を支える治水事業等の推進  河川等の先行的整備を行い、活力ある地域づくりを支援するため、住宅宅地基盤特定治水施設等整備事業、下水道関連特定治水施設整備事業、都市公園等関連特定治水施設等整備事業、河川等関連公共施設整備促進事業を推進するほか、がけ崩れの防止と公共用地の創出を併せて行う特定利用斜面保全事業を推進するなど、地域活性化を支援する急傾斜地崩壊対策事業を推進する。  さらに、豪雪地帯における消流雪用水導入事業、上流部の洪水頻発地域において、輪中堤、宅地等の嵩上げ等により治水対策を講ずる流域水防災対策事業、河道対策と併せた氾濫域対策を推進する耐水型地域整備事業及び都市水防災対策事業を推進し、活力ある地域づくりを支援する。 ハ 中心市街地の活性化のための治水事業等の推進  都市の中心市街地が地域の経済及び社会の発展に果たす役割は極めて重要であり、地域の自主性を活かし、中心市街地における良好な水辺環境の整備を図り、中心市街地の活性化を支援するため、沿川地域のまちづくりと一体となってふるさとの川整備事業、マイタウン・マイリバー整備事業、河川再生事業を推進する。 ニ 中山間地域づくりに資する治水事業等の推進  河川を流域全体の中で、また水循環系全体の中でとらえて治水事業を行っていくためには、中山間地域の活性化が不可欠である。こうした観点の下、中山間地域を災害から防御するため、災害弱者関連施設や緊急輸送路等を保全する土砂災害対策を推進するほか、平地部が少ないという中山間地域の特性を踏まえ、山間狭窄部の水害の防止と生活環境の向上に効果的な流域水防災対策事業を推進する。また、間伐材を工事へ活用する森を育む川づくりや、地域開発、道路整備やまちづくりと一体となった河川・渓流の整備等、中山間地域等の地域づくりに資する事業を推進するほか、地域おこしの拠点づくりのため、ふるさとの川整備事業やふるさと砂防事業、桜づつみモデル事業、水辺の楽校プロジェクト、水辺プラザ整備事業、野外活動拠点整備事業等を推進する。 ホ 地域の視点を活かした斜面づくりの推進  行政機関、地元住民、ボランティア団体等を構成員とする協議会を開催し、防災、自然環境・景観の保全、斜面の利活用等、地域の視点を活かした斜面づくりの基本計画「斜面との共生21プラン(仮称)」の策定を推進する。