X 国土の測量 1 現状と課題 (1)これまでの取組み  国土地理院では、国土の測量に関する我が国の唯一の行政機関として、測量に関する政策の企画立案、国土情報の基盤(国土情報インフラ)の整備、公共測量の指導調整、測量に関する国際活動を行っている。  測量に関する政策の企画としては、世界標準と整合した国家基準点体系の構築、地理情報システム(GIS)の普及促進、新技術に対応した技術基準の策定、地震予知連絡会や地震調査委員会の事務局として地震調査・研究を推進し、社会の高度情報化の進展、技術水準の高度化に対応した測量制度の構築を図っている。  国土情報インフラの整備としては、測量法により建設大臣が定める基本測量長期計画に基づき、全ての測量の基準となる国家基準点(三角点、水準点、電子基準点)を全国に設置し、国土の位置や高さの精密な確定や、地殻変動の連続的な観測を行っている。さらに、全国土をカバーする2万5千分の1地形図等、国土の最新の状況を示す基本図を整備・管理・更新し、広く一般に提供している。また、測量・地図作成の高度化に必要な研究開発、地震予知・防災・環境に関する調査研究、測地学・地理学・地球科学に関する応用研究にも取り組んでいる。  公共測量の指導及び調整としては、国・地方公共団体が実施する大規模で精度の高い測量(公共測量)についての重複を排除するため、測量法に基づいた指導及び調整を行っている。  測量に関する国際活動としては、国連地域地図会議等に政府を代表して参加し、国益に沿った主張を行う一方、VLBI(電波星による測量技術)等の国際共同観測・研究の推進、各国と連携したGISの国際標準制定や地球地図の整備促進等を行っている。また、開発途上国に対する技術協力(専門家の派遣、研修員の受入)や、南極観測事業にも参加している。