XIII PFIの推進 1 諸外国におけるPFIへの取組状況  PFI(Private Finance Initiative)とは、公共施設等の建設、維持管理、運営(これらに関する企画を含む。)を民間の資金、経営能力及び技術的能力を活用して行う手法であり、1992年、行政改革を推進したサッチャー政権を継承したメージャー政権下の英国において、大蔵省が中心となり提唱された概念である。  1994年に本格的な事業化が開始され、1997年5月にブレア政権に交代後PFIの見直しが行われたが、基本的な路線は踏襲しながらPFIより広い概念としてPPP(Public Private Partnership)が提唱され、より柔軟な協力体制が模索されている(表2-XIII-1)。  また、英国以外においても社会資本整備に民間活力を導入しようとする試みはなされており、フランスにおいては、コンセッション(Concession)と呼ばれる公共事業営業権委託方式を中心として、有料道路や上水道などの分野に多くの実績がある。法制度は整備されていなかったが、1993年にサパン法(SAPIN法)が制定され、手続面における透明性、競争性の確保が図られた。  フランスの民間資金の活用の主な特色は次のとおり。 ・公共サービスの提供の継続と社会経済情勢の変化や技術革新に対応したサービスの進化が原則 ・利用者からの料金で投資を回収する方式が基本であり、その利用料金の徴収が利用者に認められるかがポイント ・事業に際しては官民の信頼関係の構築が重視され、協調的に実施される ・公共から民間事業者に対して保証や出資が行われることもある ・地方公共団体が事業実施の中心であり、個々の事業ごとに検討している ・直接公共で事業を実施した場合と民間事業者で事業を実施した場合とのコスト比較は行われない ・民間事業者はほぼ2社による寡占に近い状態となっている  このほか、東南アジア諸国では、膨大な社会資本整備需要に対する財政資金や政府の実施能力の不足等の事情を背景に、民間が公共の認可のもとに施設を民間資金で整備(Build)、運営(Operate)し、ある一定期間中にその利用料金で投資資金を回収した後、公共にその施設を移管(Transfer)する事業方式(BOT:Build-Operate-Transfer)などが盛んに採用されている。