3．地域の自主性に基づく地域特性を活かした交流拠点づくり・まちづくり
(1)地域に密着した各種事業、制度の推進
1)まちづくり総合支援事業
市町村が中心市街地活性化等の地域の抱えるまちづくりの課題解決に向けて自らの創意工夫により策定する｢まちづくり事業計画｣に基づき、ハード事業からソフト事業まで多彩なメニューを地区で一括採択し、支援を行っている。補助金は地区で一括交付し、｢まちづくり事業計画｣の範囲内であれば個々の事業の具体的な配分等は市町村の裁量に委ねられている。13年度は補助対象の拡充等を行った。
図表II-3-4 まちづくり総合支援事業の拡充内容
図表II-3-5 まちづくり総合支援事業の例
2)地域間交流支援事業
地域の個性、魅力の発信と他地域との交流を推進するため、複数の市町村が連携して、ハード(連携のための施設整備等)とソフト(ハードを活用した地域活動等)を一体的に実施するモデル的先導的な事業を支援している。
3)多様な主体の参加と連携の推進
個性的で魅力的な地域づくりを実現するために、各地域の自主的な創意工夫のもと行われる、行政、地域住民、NPO等の多様な主体の参加・連携による地域づくり活動を支援している。
4)道の駅
駐車場等の休憩施設と地域振興施設を一体的に整備することによって、道路利用者のための｢休憩機能｣、道路利用者や地域の｢情報発信機能｣、活力ある地域づくり、道を介した地域の連携、交流を促進する｢地域の連携機能｣をもつ｢道の駅｣の整備を進めている。現在全国649ヶ所が登録されている。
図表II-3-6 道の駅のイメージ
5)水辺の交流拠点整備
(ア)水辺プラザの整備
市町村の行う河川、渓流沿いの交流拠点整備と連携して河川整備を行い、川を基軸とする地域の特性を活かした交流ネットワークを構築し、その核となる交流拠点として｢水辺プラザ｣の設置を推進している。現在全国で90ヶ所が登録されている。
図表II-3-7 水辺プラザのイメージ
(イ)ふるさとの川整備事業の推進
市民の憩いの場として水辺を再生する必要のある河川において、地域のまちづくり事業と連携し、周辺の地域特性にあわせた｢まちの顔｣となる良好な水辺空間を整備している。
＜ふるさとの川整備事業＞
(ウ)桜づつみモデル事業の推進
河川管理者が堤防を強化し、市町村が桜等を植樹することにより、良好な水辺空間の形成を推進している。
＜ 桜づつみモデル事業＞
6)地域住民の参加による地域特性に応じた河川管理
(ア)河川環境保全モニター
河川環境の専門的知識をもち、豊かな川づくりに対する熱意のある人にモニターを委嘱し、河川管理者は、モニターの協力を得て、河川環境の保全・創出及び秩序ある利用のための諸業務や普及啓発活動をきめ細かく行っている。
(イ)河川愛護モニター
河川に接する機会が多く、河川愛護に関心を有する人に、モニターを委嘱し、河川管理者はモニターの協力を得て、河川へのゴミの不法投棄や施設の異常の発見など、河川管理に関する情報収集を行い、併せて河川愛護思想の普及啓発に努めている。
(ウ)ラブリバー制度
河川の清掃、草刈等を行うボランティア団体、地域住民に対して、河川敷を植樹や花壇などとしての利用に開放し、地域に根ざした親しみある水辺空間の形成を推進している。
(エ)アドプトプログラム(養子縁組制度)
市民参加型の河川管理を行うため、河川の特定の区間と住民とを養子縁組し、除草、清掃などの管理を住民が行うアドプトプログラムを実施している。13年度には、｢旭川アドプト・プログラム｣(岡山県)などを実施している。
7)地域の活性化を支える港湾
(ア)多目的ターミナルの整備
産業の空洞化への対応や地方経済の活性化を推進し、民間雇用の増大を図るため、国内製造業等による投資誘発効果が期待される多目的ターミナルについて、生産拠点の再編・集約、新たな産業立地、船舶の大型化等に対応しつつ拠点的な整備を行い、輸送拠点の形成を図っている。
(イ)シーサイドオアシスの整備
フェリー、旅客船、クルーズ船等の多様な要請に対応した人にやさしい旅客輸送や市民の交流活動の拠点として、地域の特性に配慮した人々の交流を支える核となるシーサイドオアシス(旅客ターミナル施設等)の整備を進めている。また、地域特性を活かした交流拠点づくりのための調査を13年度から実施するとともに、道の駅等背後の事業と旅客船ターミナルや緑地、海浜などの港湾・海岸事業を連携して実施することにより、地域の連携・交流の促進、地域の活性化を図っている。
図表II-3-8 シーサイドオアシスの整備
