第7節 地球環境の観測・監視

1.地球環境モニタリングと地球温暖化予測

 海洋の変動は気候に大きな影響を及ぼすことが知られているが、現状では広大な海洋内部の観測データは乏しく、海洋の状況を把握するには観測を強化することが必要とされている。
 そのため、海洋の内部を自動的に観測する装置(アルゴフロート)約3,000個を全世界の海洋に展開し、リアルタイムで監視・把握するシステムを構築する「ARGO(アルゴ)計画」が国際的に提唱され、世界気象機関(WMO)などの国際協力の下で推進されている。国土交通省ではこの国際的プロジェクトに積極的に貢献するため、文部科学省と連携して平成12年度より「高度海洋監視システム(ARGO計画)の構築」を実施している。ここでは、アルゴフロートの展開の一部を担当するほか、全フロートからのデータを収集し、インターネットで公開するデータベースの構築なども行い、長期予報の精度の向上や気候変動研究の進展を目指している。また、これにより、気候変動や異常気象による被害や損害を防止・軽減するための対策を講ずることが可能になると期待されている。

図表II-4-23 高度海洋監視システム(ARGO計画)の観測の概要
図表II-4-23 高度海洋監視システム(ARGO計画)の観測の概要

 その他、地球温暖化問題について的確な施策を実施する基礎として、気象庁では大気・海洋における二酸化炭素等の温室効果ガス濃度の観測・監視を行うとともに、各国のデータの収集・管理・提供等を行っている。
 また、「地球温暖化による我が国の気候変化予測に関する研究」をはじめ、気候変動に関する研究を推進するとともに、地球温暖化予測情報を作成し、国内外の関係機関に提供している。

 

テキスト形式のファイルはこちら

前の項目に戻る     次の項目に進む