3.災害に強い交通体系の確保

(1)多重性・代替性の確保

 大規模災害発生により交通システムに大きな障害が生じれば、人員・傷病者の輸送、緊急物資の供給等が困難になる等、交通の確保は、様々な災害応急対策の基礎となる極めて重要な活動である。
 このため、利用者の安全の確保、施設等の機能の維持、救援・復旧活動の円滑な実施、全国的な輸送活動への影響の極小化等が図られるよう、災害に強い交通体系の整備を推進している。
 特に、港湾、空港等主として交通事業者が利用する基盤の整備に当たっては、災害に強い施設整備を推進するとともに、輸送事業者等とも協力しつつ、複数の輸送モードからなる緊急輸送ネットワークの充実に努めている。
 また、災害発生時の緊急輸送・代替輸送の確保は、緊急物資供給等の災害応急対策の基盤となるとともに、全国規模での輸送活動を維持する観点からも極めて重要である。このため、地域・幹線・国際交通において、陸・海・空にわたる複数の輸送モード及びルートからなる多重性・代替性の確保に努めている。また、実際の災害発生時には、地方公共団体の要請等に応じ、輸送事業者等に緊急輸送の協力要請を行っており、今後は、さらに迅速かつ的確に緊急輸送を確保するため緊急輸送ネットワークの確保のための体制整備、情報伝達・収集体制の構築等、緊急輸送のコーディネート機能を充実・強化していく。

 

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