(1)航空

1)テロ事件発生後講じた措置
 航空会社等に対して空港警戒態勢の強化を指示するとともに、空港管理者に対しては空港警備の徹底を指示した。ハイジャック対策としては、国内線のみならず国際線における機内への一切のナイフ類等の持込禁止措置、その他航空保安対策の強化を指示した。また、受託手荷物検査機器の追加配備等検査機器の充実強化について必要な措置を講じるとともに、成田空港、関西国際空港及び羽田空港において保安検査場の整備等を行うこととした。さらに、操縦室への侵入を防止するため暫定的な措置として操縦室扉の構造強化等の対策を講ずるとともに、万一の事態が生じた場合に備え、飛行中の旅客機を迅速・確実に最寄り空港に着陸させるためのマニュアルを作成した。

2)国際的な連携・協力のリード
 航空の国際性に鑑みると、有効なテロ対策を展開していくためには国際的な協調が不可欠である。そこで我が国は、米国同時多発テロ事件発生直後に開催された国際民間航空機関(ICAO)総会において、航空保安に係る閣僚レベル会議の早期開催、航空保安に関する国際的基準の見直し等の提案を行った。同総会では、これを踏まえた「民間航空機を破壊兵器として不正使用すること及びその他のテロ行為に対する宣言」が13年10月6日に決議された。
 今後は、国際的な連携・協調を図りつつ、保安検査等の充実強化策(基準の強化、検査方法の改善等)、航空機内の保安対策の強化(コックピットドアの改良等)等を検討していく。

3)小型機によるテロの未然防止措置
 小型航空機の運航者に対し、在日米軍施設周辺上空等における飛行自粛への協力を要請するとともに、航空情報(ノータム)を発出している。
 また、航空機使用事業者等に対して、搭乗者の不審者の有無等のチェック、接触検査等による危険物の持ち込みの防止、機体及び農薬の空中散布装置等の管理を徹底するよう指示している。

 

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