(2)静脈物流ネットワークの形成

 近年の大量生産、大量消費、大量廃棄型の経済システムは廃棄物の最終処分場のひっ迫等をひき起こしており、循環型社会の構築が求められている。しかし、大都市圏ではリサイクル物資や廃棄物の処理施設を立地できる場所は極めて限定されていることから、広域的な役割分担を行って処理を進めていく必要性がある。
 都市再生本部において、平成13年6月に都市再生プロジェクト(第1次決定)として、大都市圏において廃棄物発生抑制、資源としての再使用、再利用を進め、資源循環の「環」を形成することによりゴミゼロ型都市への再構築を進めることとした。これを受けて関係7都県市による協議の場を設定し、東京湾の臨海部において、高度処理を行う廃棄物・リサイクル処理施設を複合的に整備し、併せて広域的な輸送に対応し得る環境負荷低減型の静脈物流システムを構築する構想が進められている。
 また、トラック輸送による環境負荷を軽減するため、トラック輸送の低公害化・効率化と併せて貨物駅、港湾や積替・保管施設へのアクセス道路、それらの近傍におけるヤード整備を推進している。さらに港湾においては、海上輸送による広域ネットワーク化を図りつつ、大規模なリサイクル処理施設の集中立地、残渣処分のための廃棄物海面処分場、ストックヤードの整備等により総合的な静脈物流拠点を形成する。
 このように、国土交通省では、環境負荷・交通負荷の少ない物流体系を構築していくため、トラックによるフィーダー輸送とも適切に組み合せて、海上輸送や鉄道・河川舟運によるネットワーク形成を図ることとしている。

図表II-10-11 港湾における総合的な静脈物流拠点の形成
図表II-10-11 港湾における総合的な静脈物流拠点の形成

図表II-10-12 広域静脈物流ネットワークのイメージ
図表II-10-12 広域静脈物流ネットワークのイメージ

 

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