1.豊かな河川環境の形成 (1)良好な河川環境の保全・形成  河川整備にあたっては多自然型川づくりを基本としてきたが、平成9年の河川法改正以後さらにその充実を図り、必要とされる治水上の安全性を確保しつつ、生物の良好な生息・生育環境をできるだけ改変しないようにし、改変せざるを得ない場合においても、最低限の改変にとどめるとともに、良好な河川環境の復元が可能となるように努めている。  また、堰、床止、ダム等の河川横断施設については、魚道の設置や改善などにより魚介類の遡上環境の改善を積極的に行っている。多自然型川づくり(貫川、福岡県北九州市)  さらに14年度より、河川の蛇行復元や河畔林の整備、乾燥化傾向のある湿地の冠水頻度を増加させることなどにより、渡り鳥等生物の良好な生息・生育環境を有する自然河川や、湿地・干潟などウェットランドの再生を進めていく。 湿地再生の例(渡良瀬遊水地、栃木県ほか)  他方、外来種による在来の生態系への影響が日本全国の河川で大きな問題となっている。今後は、河川管理における適切な外来種対策を進めていくことが必要である。