4.電子国土の実現 (1)GISの推進 1)GISの整備・普及促進  防災、まちづくり、交通、経済活動、住民生活等に幅広く活用される全国の基本的な地理情報を電子化し、GIS(地理情報システム)の基盤情報として整備を図っている。  国土交通省は、地理情報システム(GIS)関係省庁連絡会議の運営やGISモデル地区実証実験の実施等の中心となり政府全体のGISの整備・普及の促進に努めている。 (ア)GISアクションプログラム2002-2005の策定  14年度以降を計画期間とする政府のGIS計画(GISアクションプログラム2002-2005)について、GIS関係省庁連絡会議において、e-Japan重点計画との整合を十分図りつつ検討を進めている。 (イ)GISモデル地区実証実験の実施  岐阜県等全国7府県において、総務省、経済産業省と連携し、GISの有効性の検証やアプリケーション開発等を行う「GISもデル地区実証実験」を実施している。 2)空間データ基盤等の整備、地理情報クリアリングハウスの整備等  GISの普及には、情報の整備と、その相互利用のための取組みが不可欠である。 (ア)地理情報の整備  GIS普及期(11〜13年度)の最終年度である13年度には、ISOに準拠した地理情報標準の第2版を作成するほか、GISの基盤となる、道路・鉄道等の空間データ基盤(2,500分の1及び2万5,000分の1レベル)の整備を完了する予定である。また、今後、国土地理院が保有する主題図(注)を数値化し、国土管理に必要なGIS地理情報として提供していく。 (イ)街区データの整理  街区名称等とその位置座標の対応づけを行った街区レベル位置参照情報を整備し、13年度中に全国の都市計画区域内の整備を完了する予定である。 (ウ)海域地理情報システム基盤情報整備  海域については陸域に比べ、GISにおける利用を目的とした基盤情報の整備が遅れている。海上保安庁では、従来から「海の基本図」をはじめ海域におけるGISの基盤となり得るアナログ情報(空中写真等)を多数保有していることから、これらを数値化(電子化)し、「海域におけるGIS基盤情報」として整備を進めている。 (エ)情報の共有・利用  13年3月末に、各省庁が保有する地理情報が一括検索できるワンストップサービス(地理情報クリアリングハウス)を開始したところであり、これにより効率的な検索が可能となった。また、国土数値情報(自然、土地利用、交通施設等のデジタルデータ)及び街区データ(一部)については、13年4月からインターネットでの無償提供を開始した。さらに、ウェブブラウザ上で地理情報を閲覧、加工できるシステム(ウェブマッピングシステム)の開発を推進し、インターネットによる地理情報利用の飛躍的拡大を図っている。  また、河川の特性を治水・利水・環境などの観点から総合的に把握するため、河川に関する情報を空間データとして電子情報化する河川GISを推進しており、(水情報国土の構築)その中の河川環境情報については、13年度末に一部の河川で運用開始予定である。同様に、健全な水循環系の再生に必要な水理・水文、土地利用等河川流域に関する情報を電子化して地理情報と連動した水循環に関するGISの構築を進めている。 (注)土地条件図、沿岸海域土地条件図、火山土地条件図、都市圏活断層図等。