第II部 国土交通行政の動向 

(3)下水道施設の機能の高度化と維持管理の充実

1)機能の高度化
 老朽化した施設の更新に際しては、単なる従来機能の回復を行うだけでなく、浸水安全度の向上や高度処理、合流式下水道の改善等、下水道の機能向上と一体となった効率的な改築・再構築を推進する。

2)健全な下水道経営の持続
 下水道の維持管理においては、雨水公費・汚水私費の原則の下に使用料の徴収が行われているものの、多くの自治体では本来回収すべき使用料が満足に回収できず、下水道管理費の大半を一般会計からの繰入金に依存している状況にある。特に中小市町村においては、人口規模が大きい都市と比較してスケールメリットが働きにくい等の構造的な特性から支出が相対的に大きくなる一方、収入は小さくなるといった傾向にある。
 こうした状況を踏まえ、主に今後下水道事業を実施する中小市町村を対象に、中長期的な経営状況を予測することにより、効率的な下水道整備、安定的な経営計画の策定に資するとともに、事業計画・収支計画や使用料算定による経営の見通しや妥当性を地域住民等へ情報公開するための手段として活用できるシミュレーションツールの開発等を行う。

3)効率的な民間委託の促進
 平成13年4月に、維持管理業務の効率化を図るための一手法として「性能発注の考え方に基づく民間委託のためのガイドライン」を公表したところであるが、現在、ガイドラインに基づく発注方式のより一層の普及促進に向けた条件整備について調査・検討を進めているところである。

 

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