第II部 国土交通行政の動向 

(2)空間データ基盤等の整備、地理情報クリアリングハウスの整備等

1)地理情報の整備
 「GISアクションプログラム2002-2005」の初年度である平成14年度には、ISOによる地理情報の標準化に関する国際規格が確定した項目について速やかにJIS化を進めるほか、GISの基盤となる、空間データ基盤(数値地図2500及び数値地図25000)の更新及び三次元GISを構築するための精密標高データの整備を行っていく予定である。また、国土地理院が保有する主題図(注)を数値化し、国土管理に必要なGIS地理情報として提供していく。

2)海域地理情報システム基盤情報整備
 海域では、陸域に比べGISにおける利用を目的とした地理基盤情報の整備が遅れている。海上保安庁では、従来から「海の基本図」をはじめ海域におけるGISの基盤となりうるアナログ情報(空中写真等)を多数保有していることから、これらを数値化(デジタル化)するとともに、詳細データの少ない浅海域における海底地形データを収集するため、新たに導入した航空機搭載用測深機(航空機レーザー測深機)を使用するなどデジタル測量技術を用いた「海域におけるGIS基盤情報」整備を進めている。

3)情報の共有・利用
 各省庁が保有する地理情報が一括検索できるワンストップサービス(地理情報クリアリングハウス)により、平成14年10月に7省の保有する地理情報の効率的な検索が可能となった。また、13年4月から提供している国土数値情報(自然、土地利用、交通施設等のデジタルデータ)及び街区レベル位置参照情報(街区名称等とその位置座標の対応付けを行ったデータ)に加え、14年度からインターネットを通じて国土画像情報(カラー空中写真)及び国土地理院所有の空中写真について、提供、閲覧を開始するなど地理情報の共有化の推進を行っている。数値地図については、既に提供を開始している数値地図2500に加え、15年3月から数値地図25000のインターネットによる提供を開始した。さらに、ウェブブラウザ上で地理情報を閲覧、加工できるシステム(ウェブマッピングシステム)の開発を推進し、インターネットによる地理情報利用の飛躍的な拡大を図っている。
 また、河川の特性を治水・利水・環境などの観点から総合的に把握するため、河川に関する情報を空間データとして電子情報化する河川GISを推進しており(水情報国土の構築)、その中の河川環境情報については、14年度より水情報国土データ管理センターから提供を開始する。
 同様に、健全な水循環系の再生に必要な水理・水文、土地利用等河川流域に関する情報を電子化して地理情報と連動した水循環に関する GISの構築を進めている。



(注)土地条件図、火山土地条件図、沿岸海域土地条件図、都市圏活断層図等

 

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