第II部 国土交通行政の動向 

(1)公共交通機関等のバリアフリー化

1)交通バリアフリー法
 高齢者、身体障害者等が公共交通機関を円滑に利用できるようにするため、交通バリアフリー法(平成12年施行)等に基づき、公共交通機関及び旅客施設の周辺地区のバリアフリー化の推進を図っている。

 
図表II-4-6-1 交通バリアフリー法の効果

交通バリアフリー法により、鉄道駅等のエレベーターやエスカレーターの設置、視覚障害者誘導用ブロック、身体障害者用トイレ、視覚聴覚情報提供設備等の設置、ホームにおける鉄道車両との段差、隙間解消設備の設置、鉄道車両内の車椅子スペースの設置等を推進している。

 交通バリアフリー法等に基づき市町村が作成する基本構想は、平成15年1月22日現在、全国51市町村において策定(受理済)されており、また、約60市町村において、関係者が幅広く参加した協議会を設置し、基本構想の策定作業が進められているところである。
 国土交通省では、市町村における基本構想の策定促進等を図るため、基本構想策定促進セミナーを開催(14年度は、全国14箇所で開催)しているほか、関係地方支分部局による市町村の設置した協議会への参画や関係省庁連絡会議の開催等を通じて、基本構想の策定等に必要なアドバイス、情報交換等を行い、基本構想の策定を支援している。

2)旅客施設・車両等のバリアフリー化の推進
 高齢者、身体障害者等の移動制約者をはじめ、すべての利用者にとってより望ましい公共交通機関のバリアフリー化を促進するため、国土交通省では、交通事業者等がバリアフリー化対策を進める際の目安として公共交通機関の旅客施設の移動円滑化や車両、旅客船等に関するガイドライン等の策定を行っており、平成14年9月には、鉄道駅等の旅客施設において、視覚障害者が移動しやすくするため、改札口、エスカレーター、トイレ、ホーム上の階段、地下鉄地上出入口の音響・音声案内の指針を示した「旅客施設における音による視覚障害者の移動支援方策ガイドライン」を策定した。また交通事業者においても、これらのガイドラインに沿ったバリアフリー化に取り組んでいるほか、自主的な取組みとして、鉄道における総合的なバリアフリー化の推進に関するアクション・プランの作成等により、その推進を図っているところである。
 また、国土交通省では、鉄道駅、バス・旅客船ターミナル、空港等旅客施設におけるエレベーター・エスカレーター等バリアフリー施設の整備やノンステップバス、低床式路面電車(LRT)等の車両の導入に対する補助を実施しているほか、日本政策投資銀行による融資制度や税制上の特例措置を講じ、公共交通機関のバリアフリー施設の整備等の推進を図っている。

 
図表II-4-6-2 音響・音声案内機器、駅のエレベーター

改札口や階段等に、音響、音声案内機を設置している。最新型エレベーターは前後に扉があり、エレベーター内で車椅子が回転する必要がない。

 

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