第II部 国土交通行政の動向 

(2)自然・歴史・文化を活かした地域づくり

1)国家的記念事業や我が国固有の文化的遺産の保存・活用
 国家的な記念行事として、又は我が国固有の優れた文化的資産の保存及び活用を図るため、閣議の決定を経て設置する国営公園の整備を推進しており、平成14年度までに5公園が開園している。
 
<国営沖縄記念公園>



2)古都における歴史的風土の保存
 古都保存法に基づき、建築物等の新・増・改築、宅地の造成等行為の制限を行うとともに、土地の買入れ等古都保存事業、普及啓発活動等を実施することにより、歴史的風土の保存を図っている。平成14年12月現在、9市町村が古都として定められている。
 
<明日香村の風景>



3)歴史・文化等に貢献する官庁施設整備
 歴史的建築物の保存、地域の特性を活かした施設整備、文化的象徴となる施設整備等により、歴史・文化、地域活性化等に資する官庁施設整備を推進している。

 
図表II-8-2-8 横浜税関

横浜税関本関庁舎は、建設後67年が経過し、OA化対応や税関業務の多様化、高度化への対応など改修需要が高まっているが、一方で、昭和初期の官庁建築を代表する貴重な施設であり、市民に広く親しまれている施設である。このため、旧庁舎を保全しつつ現代の建築技術を加え、21世紀の税関庁舎として生まれ変わらせることとした。

4)歴史と文化の薫るみなとづくり
 (ア)歴史的港湾環境創造事業
 今なお残る港湾の歴史を物語る石積みの防波堤や護岸等の歴史的港湾施設を港湾文化の貴重な財産として保全・活用しながら、周辺地域を文化的で歴史的な薫りの漂う快適で潤いのあるウォーターフロント空間の創出を図っており、平成14年度末現在、13港15箇所で実施している。
 
<歴史的港湾環境創造事業>



 (イ)瀬戸内・海の路事業
 瀬戸内海に面した地域においては、古来から人々が海と親しみ、豊かな自然と貴重な歴史的資源が数多く存在していることから、これら個々の歴史的資源を有機的、広域的に結びつけ、新たな交流圏を創造することにより瀬戸内海地域の一体化を図り、地域振興を推進している。

 

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