第II部 国土交通行政の動向 

第5節 北海道総合開発の推進

 北海道は、広大な国土や美しく雄大な自然環境に恵まれ、豊かな農山漁村地域が形成されているなど他の地域には見られない様々な特性を有している。また、開発の歴史が浅い北海道においては、最新の技術や考えを導入した事業や広大な国土空間を活用した大規模開発といった、我が国の将来の夢を託す先駆的取組みが展開されてきた。
 21世紀の北海道開発の推進に当たっては、全国の水準からみて北海道が遅れている点を是正するというキャッチアップスタイルに偏ることなく、北海道が果たしてきた役割を問い直し、上記のような北海道の特性を活かし、新たな時代〜持続的発展が可能な地域社会〜を切り拓く先駆者として、我が国の抱えている困難な課題解決のため、また、我が国の経済・社会の発展に貢献するため、21世紀にふさわしい北海道の総合開発を効果的に推進していく必要がある。
 このため、第6期北海道総合開発計画期間中(おおむね2007年度まで)における重点課題として、1)食料基地としての役割強化、2)新たな産業育成、3)環境保全、4)観光交流の促進、5)国際交流と人材開発の拠点づくり、6)安全でゆとりある快適な地域社会の形成、7)人流、物流、情報流の基幹的ネットワークの推進などに積極的に取り組むとともに、長期的視点に立って、1)人口減少が予想される中での地域の活力維持、2)厳しさを加える財政事情の下、公共事業の効率的・効果的推進を念頭に置きつつ、総合的な検討・展開を図る必要がある。
 その際には、北海道の自立を支える社会基盤の整備と併せて、他の地域のモデルとなるような取組みや他の地域では実現が困難な取組みを実施することにより、我が国の将来あるべき姿を先導する役割を果たすことが重要である。
 また、上記施策に合わせてアイヌ文化振興関連施策、北方領土隣接地域の安定振興対策等を総合的に展開しているところである。
 
<アイヌ古式舞踊の披露>



 

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