第II部 国土交通行政の動向 

第2節 国際標準への取組み

(1)自動車基準・認証制度の国際化

 世界各国は、自動車の安全確保、公害防止のため、各国の道路交通環境に応じ自動車基準・認証制度を設けており、船舶や民間航空機のような世界共通の基準は現在のところ存在しない。しかし、自動車及びその部品の国際流通の進展や自動車産業のグローバル化に伴い国際的な基準の調和や認証の相互承認の拡大が強く求められており、その一層の推進を図る必要がある。

 
図表II-9-2-1 基準調和及び認証の相互承認のメリット

基準調和及び認証の相互承認することで、ユーザーにとっては自動車の価格の低減、メーカーにとっては開発の効率化、生産性の向上、行政にとっては基準作成の効率化などのメリットがある。

 国土交通省は、「車両等の世界的技術規則協定(略称)」(注)の執行委員会の副議長や、車両カテゴリー等の世界共通定義を策定するための専門家会合等の議長を務めているほか、世界統一基準の提案を積極的に行っているところである。今後、世界統一基準が策定された場合には、これを道路運送車両の保安基準に速やかに取り入れる等の積極的な対応を行っていくこととしている。



(注)「車両並びに車両への取付け又は車両における使用が可能な装置及び部品に係る世界技術規則の作成に関する協定」は、自動車基準の世界的な調和を図るための枠組みとして、2000年(平成12年)8月に8ヵ国の締結により発効した。

 

テキスト形式のファイルはこちら

前の項目に戻る     次の項目に進む