1.我が国の活力・競争力向上など政策的意義の高い事業への重点化  少子高齢化により社会保障負担が増大する一方、既存ストックの維持・更新費用の増大が予想される中で、新規の社会資本整備をばらまき的・総花的に行っていく余裕はなく、真に政策的に意義の高い事業に投資を重点化していくことがますます重要となっていく。  特に、今後、労働力人口の減少や貯蓄率の低下など少子高齢化に伴って予想される負の影響を踏まえつつ、我が国の経済社会の活力を維持・活性化していくためには、経済の生産性を高め、国際競争力の強化に資する分野等への投資を重点的に行っていくことが強く求められる。  このため、厳しい財政的制約の中で財源の適切な選択を行いつつ、高速交通体系の整備や、魅力ある都市への再生などの分野に重点的な投資を行っていくことが必要である。また、少子高齢化に伴う災害弱者の増加等に対応して、国民の安全・安心を確保するための基盤を着実に整備していくことも重要である。一方、例えば郊外部における新たな都市開発事業や、地方空港の新設などニーズの低下している分野については、投資の縮小や撤退など大胆な見直しを行っていくことが必要である。 図表I-3-1-1 近隣アジア諸国での大規模空港整備の進展 図表I-3-1-2 アジア諸港に比べ相対的地位が低下している我が国の港湾 図表I-3-1-3 各国主要都市圏の環状道路の整備状況の比較