(既存ストックの有効活用等)  高度経済成長期以降、「量的不足の解消」を目指して大量に供給・蓄積されてきた社会資本ストックの維持管理費が社会資本投資の中で相当な割合を占めるようになっているとともに、近い将来それらの老朽化が集中的に進み、大量の更新投資が短期間に必要とされる事態が懸念されており、今後、既存ストックをできるだけ長く、有効に活用していくことの重要性が一層高まっている。また、既存ストックをできるだけ長期間活用し、それを安易に廃棄することを回避していくことは、環境負荷の小さい循環型社会を構築していく観点からも強く要請されるところである。  このため、今後は、点検から補修にいたる管理の高度化による既存ストックの延命化や維持管理コストの低減を戦略的重点分野として技術開発等を推進するとともに、新たな整備にあたっても、ライフサイクルコストの縮減を視野に入れた設計・施工を行うことが必要である。また、交通需要マネジメントやハザードマップ整備の推進など、新たな施設の整備による効用を補完・代替し、又は施設整備のみでは実現が困難な効果を達成するためにソフト施策を活用していくことも重要である。 図表I-3-1-7 橋梁モニタリングシステムの概要