(女性や高齢者向け輸送サービスの展開)  また、経済財政諮問会議において生活空間移動を支えるライフ・モビリティーサービスが提案されたことを踏まえ、「生活支援輸送サービス実証実験事業」を実施し、その普及等について検討を進めている。これは、タクシー運転者がホテルのコンシェルジェのように、例えば病院への送迎といった輸送サービスのみならず、薬の受取、家事代行等様々な形での生活支援のためのサービスを実施するものであり、移動制約のある高齢者や女性の社会進出を支援する効果が期待される。  一方、女性を対象とした取組みとしては、三大都市圏の一部の鉄道において、通勤通学時や深夜時間帯における女性専用車両の導入が行われている。しかし、女性専用車両の導入は、ダイヤ混乱の可能性、ホーム上の安全対策、一般車両との混雑格差等の問題も懸念され、本格的な普及には至っていない。このため、国土交通省では、女性専用車両の路線拡大モデル調査を実施し、導入に当たっての課題とその解決方策の調査を行い、その普及促進を図ることとしている。  このほか、タクシーを活用して子供や高齢者の居場所を確認し保護するサービスや高齢者等からの緊急呼び出しによりタクシーを急行させ対応するサービス、働く女性や単身世帯のニーズに合致した駅等での共同宅配ロッカーのサービスなど、ゆとりある暮らしの実現に資する新たなサービスが生まれている。 図表I-3-2-19 公共交通機関におけるICカードの導入 図表I-3-2-20 生活支援輸送サービス〜コンシェルジェ・サービス(何でもサービス)の一貫として行う輸送〜