第I部 活き活きとした地域づくりと企業活動に向けた多彩な取組みと国土交通施策の展開 

3.強い愛着を持ち、革新的・創造的な発想と粘り強さを持つ多様な人材

(中心となる先導役の存在)

 地域に対する危機意識を契機として、多くの人々の共感や賛同を得ながら、具体的な地域づくりの取組みへと発展していく過程には、周りの人々を取り込みつつ、中心となって地域づくりを先導していく人材が見られる。
 地域づくりは、長期間にわたり、また、関係者も多く、反対する人や無関心な人も少なくない。このような中で地域づくりの中心となる人は、その所属する組織の如何にかかわらず、より良い地域の実現に向けた強い情熱と行動力、そして粘り強さを備え、周囲を巻き込む魅力や説得力を有している。政府においては、このような人々のたぐいまれな努力に学ぶため、観光振興を成功に導いた人々を「観光カリスマ百選」として選定し、公表している。

 取組みの当初からこのような中心となる人材が得られない場合においても、市町村や商店街組織、まちづくりNPO等の住民団体など、行政や地域づくりに関係の深い団体が主導して地域づくりを進めていく過程で、そこに参加する人の中から中心的な役割を果たしていくこととなる先導役を見出していくことが必要である。

 企業や産業を活性化させるためには、中心となる先導役が存在している場合が多く、その人物は、まず消費者・利用者の欲求(ニーズ)を的確に捉えることができ、社会経済情勢を見極める才能をもった人材である必要がある。また、その才能を活かし、行動力をもって、企業全体ひいては産業全体を動かす力も必要である。

 

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