第II部 国土交通行政の動向 

第5節 美しい国づくり

1.景観・風景の現状と美しい国づくりへの転換

 これまでの国土づくりに向けた取組みの結果、社会資本はある程度量的には充足されてきているものの、質に着目した時、我が国土が国民一人一人にとって十分に魅力あるものとはなっていない。また、観光立国を実現するためにも、世界中の人々を惹きつけるような、個性と魅力にあふれた美しい国土づくりを推進する必要がある。
 国土交通省では、国土を国民一人一人の資産として、美しい自然との調和を図りつつ整備し、次の世代に引き継ぐという理念の下、行政の方向を美しい国づくりに向けて転換することとし、平成15年7月、その具体的な取組みの方針を「美しい国づくり政策大綱」としてとりまとめた。
 同大綱においては、「地域の個性重視」、「美しさの内部目的化」等を取組みの基本姿勢として示すとともに、地域ごとの状況に応じた取組みの考え方や、各主体の役割と連携、各主体の取組みの前提となる条件整備についての基本的考え方を提示した。また、実効性確保を主眼においた15の新たな具体的施策の方向性を示し、特に短期間で重点的・集中的に取り組むべき事業については、目に見える成果を上げるため、具体的な数値目標等を用いたアクションプログラム(実行計画)として事業ごとに一定年限内に達成すべき目標を明示した。

 

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