第II部 国土交通行政の動向 

コラム・事例 マリーナを拠点とした環境教育

 全国に約500箇所存在するマリーナ。一般的には、ヨットやモーターボートの係留場所としてのみ利用されていますが、最近、環境教育や自然体験活動など新たな活動の拠点として役割が注目されています。
 平成15年10月、千葉県名洗港の銚子マリーナでは、地元NPOや地方自治体などが主体となり、マリーナを拠点とした環境教育の取組みである「銚子マリーナ海辺の自然学校」が、学校の授業の一環として、小学生の児童約60名を対象に開催されました。児童らは、マリーナ内の静穏水域を活用したヨット体験乗船や施設に隣接した人工海浜での漂着物の観察、ビーチクリーンアップ等を体験し、海辺の自然や環境の大切さを身体で学習しました。また、この取組みを通じ、NPO、地方自治体、教育機関など普段交流が少ない団体間の交流が図られました。
 このようなマリーナを拠点とした取組みは、市民に対し環境教育活動を体験する機会を提供するにとどまらず、マリーナをヨットやモータボート所有者など一部の限られた人々だけでなく多くの市民が利用することで、地域住民の交流やコミュニティ活動の活性化が図られるなど、地域のまちづくりに寄与するものとして期待されています。

 
<指導者のもとヨット体験乗船を通じて風や波など身体で体験する児童ら>



 
<マリーナに隣接した人工海浜で漂着物観察を行う児童ら>



 

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