第II部 国土交通行政の動向 

2.「NITAS(ナイタス)」の開発

 ハード・ソフトが一体となった総合的な交通体系を構築するためには、交通体系の現状や整備効果を定量的に分析・評価できるシステムが必要である。また、交通体系整備の意図と結果を分かり易く説明するために、アウトカムの形で提示することも求められている。このため、国土交通省では「総合交通分析システム(NITAS)」の開発を進めており、政策の立案・評価を迅速かつ経済的に行うとともに、利用者の立場に立った交通体系を効率的に実現するため、一層の機能充実を図った。
 NITASは、全国の任意のゾーン間(1kmメッシュ、10kmメッシュ、または市区町村)の最短時間・費用・距離等を交通手段(自動車、鉄道、航空、船舶及びそれらの組合せ)ごとに検索することにより、その経路・所要時間・費用の検索が可能である。また、今後整備が予定されている将来ネットワークをシステムに組み込むことによるその効果の分析や、各ゾーンに対しシステム内に組み込まれている国勢調査・工業統計・商業統計等の統計データにより、多角的に交通基盤の整備効果などを分析・評価することが可能となる。

 
図表II-6-4-2 NITAS

ナイタスは、全国の任意のゾーン間の最短時間、費用、距離などを交通手段ごとに検索することにより、その経路、所要時間、費用の検索が可能となるものである。九州・山口9空港からの時間圏域分布では、分布図をみると30分圏で人口カバー率29%、60分圏で71%、90分圏で89%を確保している。

 

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