第II部 国土交通行政の動向 

第6節 大気汚染・騒音の防止等による生活環境の改善

1.道路交通環境問題への対応

(1)自動車単体対策

1)排出ガス規制の強化
 新車に係る自動車からの排出ガス対策については、逐次規制強化されてきたところであるが、平成15年に道路運送車両の保安基準の改正を行い、17年から世界で最も厳しい自動車排出ガス基準を導入することとした。ディーゼル特殊自動車についても、新たに15年10月から排出ガス規制を導入し、排出ガスの低減に努めているところである。
 また、使用過程車への対策は、自動車NOx法の改正により、排出を規制する物質としてNOxに加えPM(粒子状物質)を追加するとともに、対策地域(愛知・三重圏)及び規制対象車種の拡大(ディーゼル乗用車等)を行い、使用車種規制を平成14年10月から施行したところである。また、バス、トラック事業者に対しては国土交通大臣が必要な指導・勧告等を行うこととしており、一層の排出ガス対策に努めていくことにしている。

2)低公害車の開発・普及
 低公害車の開発・普及は、CO2排出量削減による地球温暖化対策としてのみならず、NOx、PM等の排出ガス対策としても大きな効果を有する重要施策であり、第2節に記したとおり様々な対策に取り組んでいる。
 大気汚染の主な原因となっている大型ディーゼル車に代替し得る次世代低公害車の開発・実用化を促進するため、平成16年までの3ヵ年で独立行政法人交通安全環境研究所を中核的研究機関として、次世代の低公害車両等の開発を行うとともに、安全上・環境保全上の技術基準等を策定し、その普及のための環境を整備することとしている。
 また、PMの排出量が少ないディーゼル車について認定し公表する超低PM排出ディーゼル車認定制度の創設(平成14年7月)や大都市地域における自動車に起因する大気汚染への対策として、バス・トラック事業者を中心に、CNG(圧縮天然ガス)バス・トラック、低PM認定車、ディーゼル微粒子除去装置(DPF・酸化触媒)等の導入に対する補助を行うことにより、低公害車の普及促進を図っている。
 なお、平成16年度においては、補助制度の拡充として、使用過程にあるディーゼル車のCNG車への改造及び新長期規制対応車の導入を新たに補助対象に追加する措置を講じるとともに、道路特定財源の活用について、従来のDPF・酸化触媒の装着に加え、低PM認定車にも支援することにより、更なる低公害車の普及促進を図ることとしている。

 

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