第II部 国土交通行政の動向 

(1)国土交通省技術基本計画の策定

 今後の国土交通省全体の技術研究開発の方向性を明らかにするため、科学技術基本計画を踏まえ、社会資本整備重点計画とも整合をとりつつ、平成15年度から19年度までの5年間を計画期間とする国土交通省技術基本計画を、15年11月に策定した。
 本計画では、つくり手(供給者)の視点から、国民(利用者)の視点への転換を図り、国民の暮らしに関わる5つの目標と、これらの目標を具体化するための10テーマの重点プロジェクトを設けた。また、成果目標として、技術基本計画に掲げた技術研究開発が進められていくことにより達成される将来の暮らしの姿を示した。
 また、災害予測や交通事故の防止に関する技術等の研究開発にあたって、関連部局等が一体となりソフト・ハードを含めた総合的な研究開発を推進するなど、各分野毎の研究開発から総合的な研究開発へ重点化することにより、効率的に目標達成を図ることとした。

 
図表II-11-1-1 国土交通省技術基本計画の概要及びその例

国土交通省技術基本計画の暮らしに関わる5つの目標は、(1)安全で不安のない暮らしの実現、(2)良好な環境を取り戻し美しく持続可能な国土の形成、(3)快適で生活コストの安い暮らしの実現、(4)国際競争力を高め活力ある社会の実現、(5)誰もが社会の一員であることを実感できる社会の実現である。本計画の例として、「交通事故死者数を今後10年間で半減化」や「無限の可能性を有する都市部の大深度地下空間の安価な施工」などが挙げられる。

 

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