2.既存ストック等の有効活用  これまでに着実に整備されてきた我が国の社会資本ストックは相当な規模となっており、適切な維持管理を行い、その有効利用を図ることの重要度が高まっている。また、国と地方の厳しい財政状況の中で、近い将来、高度経済成長期に整備された大量の社会資本ストックの老朽化が進み、集中的に多額の更新投資等が必要とされる事態が懸念される。  このような状況においては、ソフト施策との連携等により既存ストックの整備の効果を相乗的に高めるような工夫を行っていくとともに、社会資本の更新時期の平準化、維持管理や更新を考慮に入れた「トータルコスト」の縮減等を図るため、総合的な資産管理手法を導入し、効率的・効果的な維持管理を推進する。 <既存ストックの有効活用等の具体例> ○路上工事の総量抑制等    ⇒路上工事時間を2割削減(平成19年度) ○渋滞問題などに対応した弾力的な有料道路料金施策の社会実験   〔例〕日本海東北自動車道(新潟県)における通勤時間帯の料金を半額割引       ⇒有料道路の交通量2倍、並行する一般国道の渋滞長50%減少 ○官庁施設の保全業務の標準化及び保全業務支援システム等の整備により、官庁施設の長寿命化等を推進 ○既存の鉄道路線の部分延伸や既設路線間を結ぶ短絡線の整備、相互直通運転化のための既存駅の改良等の実施により、広域的な鉄道ネットワークの形成を推進