2.観光立国をめぐる最近の動向  平成15年1月、我が国の観光立国としての基本的なあり方を検討するため、有識者をメンバーとする「観光立国懇談会」が開催されることとなった。また、その直後の第156回国会における小泉内閣総理大臣の施政方針演説においては、観光の振興に政府を挙げて取り組むこととし、日本を訪れる外国人旅行者を2010年に1,000万人に倍増させることを目標に掲げた。  平成15年4月の「観光立国懇談会」において、改めて観光の意義を問い直すとともに、観光立国を実現していくための課題と戦略を提言する「観光立国懇談会報告書−住んでよし、訪れてよしの国づくり−」がとりまとめられた。  この報告書を受け、平成15年5月、関係行政機関の緊密な連携を確保し、観光立国実現のための施策の効果的かつ総合的な推進を図るため、観光立国関係閣僚会議が開催された。同年7月には、内閣官房及び国土交通省が中心となって、「観光立国行動計画」がとりまとめられた。 図表II-2-1-2 観光立国行動計画  また、こうした動きを受け、平成15年9月には、観光立国を実現するための施策を関係省庁が円滑に推進することができるよう、歴代内閣として初めて観光立国担当大臣が設置され、石原国土交通大臣が同担当大臣に任命された。さらに、第159回国会における小泉内閣総理大臣の施政方針演説において、観光立国を積極的に推進すると言及されたところである。  このように、観光立国の実現は国家的な政策課題となっており、政府を挙げて、観光立国の実現に向けた様々な取組みを行っていくこととしている。