第3節 我が国の経験・技術・ノウハウを活かした国際協力 (1)国際協力の展開  2003年(平成15年)8月、ODA(政府開発援助)の戦略性、機動性、透明性、効率性を高めるとともに幅広い国民参加を促進し、我が国のODAに対する内外の理解を深めるため、「政府開発援助大綱(ODA大綱)」が平成4年以来11年ぶりに改定され、閣議決定された。新大綱では、貧困削減、持続的成長、地球規模の問題に加え、「平和の構築」といった新たな課題が重点課題に位置付けられるとともに、関係府省や関係機関の連携・調整、NGO(非政府組織)・民間を含めた我が国の経験・技術・ノウハウの活用が求められている。  新ODA大綱にも示されているように、開発途上国の発展には、経済開発の基礎となる経済社会基盤の整備をはじめ、計画・政策策定や管理・運営を担う人材の育成が不可欠である。また、水問題、人の交流の活性化、地球環境問題、海賊・テロ対策等の取組みも重要であり、国土交通分野に関する国際協力のニーズは高い。  このため、主に以下のような施策を推進している。  ・政策対話を通じた国際交流の実施やNGO等民間団体による国際協力の支援と研修生受入れ等を通じた人材育成の推進  ・相手国の実情に応じた効果的な協力を行うための援助方針の策定、プロジェクト形成及び国際協力評価事業の推進  ・地球環境問題への対応や安全性向上のための技術開発等の実施  ・専門家等の派遣、要人招へい等による日本の技術・基準の移転  ・JICA等関係機関を通じた技術・ノウハウの移転や国際機関と連携した国際協力の推進 <インドネシア国JICA開発調査「ジャカルタ大首都圏港湾開発計画調査」> <アルジェリア地震災に対する国際緊急援助隊専門家チーム>