第I部 東アジアとの新たな関係と国土交通施策の展開 

第1節 東アジア諸国・地域の成長

(東アジア諸国・地域の経済成長)

 東アジア諸国・地域の実質GDPは、2003年(平成15年)で1980年(昭和55年)の4.85倍となっており、世界平均(1.85倍)を上回る速度で成長している。特に近年の中国の成長が著しい。このような高い成長を維持してきた結果、2003年(平成15年)には、東アジア諸国・地域の名目GDPは世界全体の8.7%を占めるに至っている。

 
図表I-1-1-1 実質GDPの伸び(1980年比)

1980年を100とした実質GDPの伸びは東アジア諸国・地域では4.85倍であり、世界の伸びの1.85倍と比べ大きく伸びているのがわかる。特に中国の伸びは8倍と著しい。
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図表I-1-1-2 各国・地域の名目GDPとシェア(2003年)

名目GDPのシェアは中国が3.9%、ニーズスリーが2.9%、アセアンが1.9%、日本が11.9%、ナフタが34.5%、イーユーが29.0%、その他が16.0%となり、東アジア諸国・地域の名目GDPは世界全体の8.7%を占めている。
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 東アジア諸国・地域は、先進国である欧米・日本の企業の生産拠点として成長してきた。こうしたことも一因となり、東アジア諸国・地域の輸出額は増加するとともに、世界全体の輸出額に占めるシェアも拡大しており、2003年(平成15年)には19.3%に達している。
 ここで、購買力平価換算した一人当たりGDPを見ると、東アジア諸国・地域が2005年(平成17年)で1980年(昭和55年)の8.68倍と高い伸びを示し、EU(3.05倍)、NAFTA(3.12倍)の伸びを大きく上回っており、東アジア諸国・地域における所得水準が伸びていると推測される。こうしたことから、東アジア諸国・地域における消費も拡大しているものと思われる。
 また、所得水準の向上と時期を同じくして、東アジア諸国・地域の輸入額は増加するとともに、世界全体の輸入額におけるシェアも拡大し、2003年(平成15年)には17.3%に達している。輸入のうちには、最終消費財だけでなく、原材料等も含まれてはいるが、こうした輸入額の著しい増加は、東アジア諸国・地域が生産拠点としてだけではなく、市場としても成長していることを示しているものと言えよう。

 
図表I-1-1-3 世界の貿易額(2003年)

世界の貿易額で輸出額のシェアは中国が5.7%、ニーズスリーが7.3%、アセアンが6.3%、日本が6.2%、ナフタが15.0%、イーユーが36.5%、その他が23.0%であり、輸入額のシェア中国が5.2%、ニーズスリーが6.9%、アセアンが5.2%、日本が4.8%、ナフタが21.5%、イーユーが34.3%、その他が22.1%となるなど、東アジア諸国・地域の輸出額・輸入額はともに増加している。
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 一方、東アジア諸国・地域の規模を人口面からみると、人口のシェアは2005年(平成17年)に30.0%を占めると予測されており、従来から大きな変化はない。その間、経済面では、上記GDPのシェアの伸びに表されるように大きく成長している。これは、その人口規模に比して世界経済上は大きな割合を示していなかった東アジア諸国・地域が、生産拠点・市場としての成長に伴い、世界経済という面からも近年重要なプレーヤーとして新たに参入しつつあるということを示すものと言えよう。

 
図表I-1-1-4 世界の人口比率(2005年の予測)

世界の人口比率(2005年予測値)は東アジア諸国・地域が30.0%、日本が2.0%、ナフタが6.8%、イーユーが7.1%、その他が54.2%と東アジア諸国・地域の世界に占める人口シェアは従来から大きな変化はない。
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