第I部 東アジアとの新たな関係と国土交通施策の展開 

第2節 東アジア諸国・地域と日本の競争

 第1節では、東アジア諸国・地域と日本との相互依存関係の深化について見てきた。
 しかし、近年、経済活動の地球規模化が進み、企業が容易に国境を越えて活動するようになっている中で、東アジア諸国・地域の経済成長は、東アジア諸国・地域と日本の相互依存の深化だけでなく、まさにその成長が理由となって、競争関係をももたらすものとなっており、国という単位でだけでなく、地域、都市、企業等のあらゆる単位で、競争は不可避となっている。特に、ビジネス拠点としての大都市は厳しい国際競争を強いられている。
 こうした中で、日本の競争力は、東アジア諸国・地域と比較して相対的に低下しつつあると言われている。例えば、IMDによる「World Competitiveness Yearbook 2004」(国際競争力年鑑)(注)において、既に一部の東アジアの国が日本よりも上位にランキングされている。

 
図表I-2-2-1 IMD世界の競争力ランキング2004

アイエムディ、国際経営開発研究所が発表している2004年の世界の競争力ランキングの総合順位によると、東アジア諸国、地域の国では、シンガポールが世界第2位、香港が第6位、台湾が第12位、マレーシアが第16位、日本は第23位、中国は24位となっている。これらの国の基礎インフラ部門の順位は、シンガポールが世界第3位、香港が第58位、台湾が第36位、マレーシアが第35位、日本は第14位、中国は16位となっている。
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 本節では、港湾・空港の整備状況、運輸関連企業、観光の分野において、東アジア諸国・地域と日本の競争力の状況を見ていく。


(注)IMDの国際競争力年鑑は、企業経営者がグローバルな視点でどの国や地域に投資すべきかを検討するための資料。調査の客観性、公平性に若干の問題点が指摘されている。

 

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