第2節 東アジア諸国・地域と日本の競争
第1節では、東アジア諸国・地域と日本との相互依存関係の深化について見てきた。
しかし、近年、経済活動の地球規模化が進み、企業が容易に国境を越えて活動するようになっている中で、東アジア諸国・地域の経済成長は、東アジア諸国・地域と日本の相互依存の深化だけでなく、まさにその成長が理由となって、競争関係をももたらすものとなっており、国という単位でだけでなく、地域、都市、企業等のあらゆる単位で、競争は不可避となっている。特に、ビジネス拠点としての大都市は厳しい国際競争を強いられている。
こうした中で、日本の競争力は、東アジア諸国・地域と比較して相対的に低下しつつあると言われている。例えば、IMDによる「World Competitiveness Yearbook 2004」(国際競争力年鑑)
(注)において、既に一部の東アジアの国が日本よりも上位にランキングされている。
(注)IMDの国際競争力年鑑は、企業経営者がグローバルな視点でどの国や地域に投資すべきかを検討するための資料。調査の客観性、公平性に若干の問題点が指摘されている。