第II部 国土交通行政の動向 

(2)自律移動支援プロジェクトの推進

 ユニバーサルデザインの考え方に基づく取組みの一つとして、ハード・ソフトを一体化し、社会参画や就労などに当たって必要となる移動経路、交通手段、目的地などの情報について、「いつでも、どこでも、誰でも」が利用できるユビキタスな環境づくりを目的とする「自律移動支援プロジェクト」に取り組んでいる。
 本プロジェクトは、我が国の先進的なユビキタス・ネットワーク(注1)技術を活用し、案内板、標識、誘導ブロック等に場所情報を発信するICタグ(注2)、無線、赤外線通信等の通信機器を設置し、利用者の携帯する端末機器(携帯電話等)との間で通信を行うシステムを構築するための実証実験である。このシステムにより、「安全で安心な移動経路」、「交通手段の選択」、「目的地及び周辺情報」、「緊急時の迂回ルート」等の利用者が必要とする情報の提供や、「SOSの発信」等の利用者からの情報の発信などを行うことができ、すべての人が安心して快適に移動できる環境の構築が可能となる。
 本プロジェクトでは、産・学・官・市民の多くの方々の連携と協力の下、技術の高度化を図り、利用者の多様なニーズを反映しながらシステムの検討を行うため、神戸市内の旧居留地の歩道等において実証実験に着手したところである。実証実験の結果を踏まえ、通信確認等に関するデータ整理、機器設置方法、維持管理方法、情報内容の記述方法などの標準化すべき項目を確定し、共通システムとして各地に展開できる技術仕様の策定等を目指している。

 
図表II-1-4-1 自律移動支援プロジェクト

自律移動支援プロジェクトは、我が国の先進的なユビキタス・ネットワーク技術を活用し、案内板、標識、誘導ブロック等に場所情報を発信するICタグ、無線、赤外線通信等の通信機器を設置し、利用者の携帯する端末機器(携帯電話など)との間で通信を行うシステムを構築するための実証実験である。このシステムにより、「安全で安心な移動経路」、「交通手段の選択」、「目的地及び周辺情報」、「緊急時の迂回ルート」等の利用者が必要とする情報の提供や、「SOSの発信」等の利用者からの情報の発信などを行うことができ、すべての人が安心して快適に移動できる環境の構築が可能となる。


(注1)「いつでも、どこでも、誰でも接続(情報入手)が可能」なネットワーク環境
(注2)集積回路(IC)を内蔵したタグまたは荷札

 

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