第II部 国土交通行政の動向 

(4)海事産業技術の開発・実用化

 近年、海事産業技術は、造船技術を核とした21世紀型物流システム構築、環境・エネルギー問題対応等のための取組みが急務となっている。
 こうした中、社会的ニーズを的確に捉えた技術の開発を推進することにより、船舶の高度化及び国際競争力強化を図るための支援を行っている。具体的には、海洋環境保全に寄与するノンバラスト船の開発、活性炭素繊維(ACF)を活用して船舶からの排出ガスに含まれるSOxを大幅に低減する高機能排煙処理システムの開発、超臨界水を活用してNOx及びCO2を同時削減する舶用ディーゼル燃焼技術の研究を推進している。
 一方、海洋空間利用による社会資本の整備を促進するため、メガフロートの研究開発を推進してきた。その結果、メガフロート空港利用調査検討会及び羽田空港再拡張事業工法評価選定会議において、浮体式空港の建設が可能であるとの結論を得た。さらに低廉かつ高信頼の情報基地としても利用可能であることが「メガフロート情報基地機能実証実験」において実証された。これらの成果を実用化するための取り組みのひとつとして、日・ASEAN交通連携において「メガフロート普及推進プロジェクト」を実施し、ASEAN水域におけるメガフロート実用化の可能性について調査しているところである。
 そのほか、次世代内航船(スーパーエコシップ)の研究開発、テクノスーパーライナーの実用化等、先進的な技術の開発、実用化も推進している。

 
<メガフロート空港モデルでの実証実験>



 

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