(東アジア諸国・地域及び日本の港湾・空港)  港湾・空港については、東アジア諸国・地域を中心とする人流・物流の増大、交通手段の発達、海運の大容量化(大型船化)等が進んだことを背景として、東アジア諸国・地域で整備が進んでいる。その結果、東アジア諸国・地域の港湾・空港の整備は充実し、取扱能力が向上するとともに、一部の港湾・空港は取扱実績で日本を上回りつつある。 図表I-2-2-2 東アジア諸国・地域と日本の主要港湾の現状と計画 図表I-2-2-3 東アジア諸国・地域と日本の主要空港の現状と計画  港湾について見ると、我が国に輸出入されるコンテナのうち東アジア諸国・地域の主要港湾において積替輸送される貨物量は増加し、非直送率も上昇している。また、我が国の港湾における基幹航路寄港便数が減少している一方で、東アジア諸国・地域の主要港湾における基幹航路寄港便数は増加している。  こうしたことから、我が国港湾の国際的な地位が、東アジア諸国・地域と比べて相対的に低下傾向にあると推測される。また、実際に、利用ランキングを見ても東アジア諸国・地域の一部の港湾が日本の港湾を上回っている状況にある。特に中国の主要港湾の伸びが目覚ましく、上位を複数占めている状況にある。 図表I-2-2-4 東アジア諸国・地域と日本の主要港湾コンテナ取扱量ランキング(2003年)  また、空港についても、利用ランキングで東アジア諸国・地域の一部の空港が日本の空港を上回っている状況にある。 図表I-2-2-5 東アジア諸国・地域の主要空港ランキング(2003年)  さらに、こうした港湾・空港という玄関口だけでなく、港湾・空港と国内各地を繋ぐネットワークも形成されつつある。  東アジア諸国・地域では、国境を越えた経済活動の機能分担が進んでおり、日本が東アジア諸国・地域を相手に競争力を維持するため、コスト、運用方法、手続等のソフト面も併せた総合的な能力の維持・向上を目指す必要がある。