1 環境・エネルギー問題の深刻化  東アジア諸国・地域の経済成長とともに、地球温暖化や大気汚染等、様々な環境問題が発生している。地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)排出量は東アジア諸国・地域において増大しており、特に中国における排出量が、急速な経済発展と時期を同じくして、群を抜いて増大している。また、中国をはじめとする東アジア諸国・地域の主要都市では大気汚染が問題になっている。 図表I-2-3-1 東アジア諸国・地域と日本のCO2排出量の推移 図表I-2-3-2 東アジア諸国・地域と日本の大気汚染の状況  また、経済活動の拡大に伴うエネルギー消費量の増加も問題となりつつある。東アジア諸国・地域におけるエネルギー消費量は増加傾向を示しており、2002年(平成14年)における東アジア・太平洋諸島等におけるエネルギー消費量は世界のエネルギー消費量の25%近くを占めてEU、NAFTAと並ぶに至っており、うち中国は約12%となっている。今後も東アジア諸国・地域におけるエネルギー消費量及び世界のエネルギー消費量に占めるシェアは中国を中心に伸び続け、EU、NAFTAを上回るまでになると予測されている。 図表I-2-3-3 世界の一次エネルギー消費量の推移  さらに、こうしたエネルギー消費量の増大に伴い、資源を輸送する船舶の航行も増大していることから、資源輸送上重要な海峡における航行安全対策など、安定した資源輸送の確保も課題となっている。