(都市圏規模別の人口予測)  近年の人口移動の傾向が継続すると仮定して、将来の人口構造を都市圏ごとに分析すると、都市圏の規模によって異なる動向が見られる。  2000年(平成12年)の国勢調査の結果を基に全国に85の都市圏を設定し、将来人口の推計を行い(注)、全国を1)東京特別区等、名古屋市等、大阪市等を核都市とする三大都市圏、2)札幌市、仙台市、広島市等、北九州市等、福岡市を核都市とするブロック中心都市圏、3)これら以外の県庁所在市を核都市とする県庁所在都市圏、4)その他の都市を核都市とするその他都市圏、5)いずれの都市圏にも属しない市町村(非都市圏)に分類してその傾向を分析した。その結果、人口規模については、三大都市圏は、人口減少が最も遅れて生じるもののその後の減少幅が大きくなっている。ブロック中心都市圏は、最も人口変動の幅が小さく安定的に推移する。県庁所在都市圏及びその他都市圏では間もなく人口減少に転じ、非都市圏では人口減少が続いていく。  一方、都市圏の種類ごとに老年人口比率(65歳以上の人口が総人口に占める割合)を見ると、現状(2000年(平成12年))では大規模な都市圏(三大都市圏及びブロック中心都市圏)の老年人口比率が比較的低く、非都市圏の老年人口比率が比較的高くなっている。2050年(平成62年)においては、いずれの都市圏も老年人口比率が35%前後まで上昇すると推計されるが、非都市圏の老年人口比率が最も低くなると推計され、大規模な都市圏では高齢化が急速に進展していく。  このように、我が国においては少子高齢化の進展が見込まれているが、地域によって人口の増減や人口構造の変化は異なる様相を呈するものになると考えられる。したがって、少子高齢化への対応についても、それぞれの地域を取り巻く状況に応じた対応が求められよう。 図表I-3-1-3 都市圏規模別将来人口の推移 図表I-3-1-4 都市圏規模別の人口構成の推移 (注)人口10万人以上で昼間人口/夜間人口が1.00以上の都市を核都市とし、核都市への通勤・通学者が500人以上又は核都市への通勤・通学者が在住通勤・通学者の5%以上である市町村を含む都市圏を設定した(核都市が近接する場合には一の都市圏を設定)。将来人口については市町村ごとにコーホート要因法を用いて推計した。市町村は2000年の国勢調査時点による。