(3)良質な持家取得の促進 1)住宅金融  住宅金融公庫は、これまで国民の住宅取得を支援するため、長期・固定・低利の資金の融資を公平かつ安定的に供給してきた。また、居住水準の向上や耐久性、省エネルギー性能を備え、バリアフリー化された良質な住宅ストックの形成の上でも、公庫融資は一定の役割を果たしてきた。  特殊法人改革の一環として、公庫が民間金融機関による長期・固定金利の住宅ローンの供給を支援する証券化支援事業を行うために必要な措置を講ずることとされ、民間金融機関による長期・固定金利の住宅ローンの供給を支援する買取型の証券化支援事業を平成15年10月より開始した。16年4月には同事業の対象となる住宅の敷地面積要件を撤廃し、同年10月からは新たに中古住宅を対象とする(17年1月からは対象となる中古住宅の築後年数要件を撤廃)などの措置を行うとともに、広報活動を積極的に推進している。17年1月現在、190の金融機関が参加し、15年10月の事業開始から16年12月までの実績は、買取申込戸数6,792戸、買取済戸数3,345戸となっている。また、同年10月からは公庫の住宅融資保険が付保された長期・固定金利の住宅ローンを担保として、民間金融機関が発行する債券等に対して公庫が元利払い保証を行う保証型の証券化支援事業も開始した。証券化支援事業の対象となる住宅については、直接融資と同様に耐久性等の技術基準を定め、物件検査を行うことにより住宅の質の確保を図っている。  こうした状況の中、公庫については、特殊法人等整理合理化計画等に基づき廃止し、平成19年4月に証券化支援業務を主業務とする独立行政法人を新たに設立することとしている。なお、公庫の融資業務については、民間では対応が困難な災害関連、都市居住再生関連等を除き廃止する。ただし、個人向け融資については、民間金融機関が円滑に業務を行っているかどうかを勘案して、独立行政法人設置の際に最終決定することとなっている。 図表II-4-2-6 証券化支援事業(買取型・保証型)スキーム図 2)住宅税制の充実  (ア)中古住宅に係る各種特例措置における対象範囲の拡大  個々人のライフスタイルにあった住宅の選択肢を広げ、また、若年層の子育て世代の持家ニーズにも応えるため、平成17年度税制改正において、以下の特例措置の適用上、地震に対する安全基準に適合する中古住宅については、築後経過年数に関する要件(非耐火住宅:築20年以内、耐火住宅:築25年以内)にかかわらず、対象に加える措置を講ずることとしている。   1)住宅ローン減税制度   2)特定の居住用財産の買換え及び交換の場合の長期譲渡所得の課税の特例措置   3)住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税制度の特例措置   4)住宅用家屋の所有権の移転登記等に係る登録免許税の税率の軽減措置   5)中古住宅の取得に係る中古住宅及び中古住宅用の土地に対する不動産取得税の特例措置  (イ)住宅用家屋の所有権の保存登記等に係る登録免許税の税率の軽減措置の延長  平成17年度税制改正において、軽減措置の適用期限を2年間延長することとしている。(適用期限:平成19年3月31日)