(2)自動車旅客事業の動向と自動車運転代行業の適正化 1)自動車旅客事業の動向  (ア)乗合バス事業  乗合バスの輸送人員は、平成15年度においても一貫して減少傾向にあるが、輸送人キロは14年度から増加に転じており、平均輸送距離はここ数年増加傾向となっている。これは移動距離が長い高速バス輸送が好調であるためと考えられる。 図表II-5-5-1 乗合バスの輸送量の推移  (イ)貸切バス事業  貸切バスの輸送人員・輸送人キロともに増加傾向にあるものの、平均輸送距離は一貫して低下傾向にある。  これは、旅行者のいわゆる「安・近・短」志向を背景として、貸切バス事業者が比較的距離の短いサービスを提供していることを示しているものと推測される。 図表II-5-5-2 貸切バスの輸送量の推移  (ウ)タクシー事業  ハイヤー・タクシーの輸送量は長期的に低落傾向にあったが、平成13年度以降おおむね横ばいとなっている。これは運賃の多様化等事業者の創意工夫による輸送サービスの改善等が要因であると考えられる。 図表II-5-5-3 ハイヤー・タクシーの輸送量の推移 2)自動車運転代行業の適正化  自動車運転代行業については、交通事故の割合が高い、暴力団関係者が関与しやすい、違法なタクシー類似行為が行われやすい、不明瞭な料金や保険契約の未加入等の問題があり、利用者保護に欠けると指摘されていた。  これらの問題に対処するため、自動車運転代行業の認定制度や自動車運転代行業者の遵守事項等を主な内容とする「自動車運転代行業の業務の適正化に関する法律」が、平成14年6月から施行されている。16年6月には改正された「道路交通法」が施行され、交通の安全と利用者の保護を図るため、運転者に対して第2種免許が義務付けられることとなった。なお、16年8月末現在の認定申請件数は全国で6,375件、認定件数は6,265件となっている。