第I部 安全・安心社会の確立に向けた国土交通行政の展開 

第2章 社会構造の変化等がもたらす安全・安心に関する新しい課題

 国土交通省は、これまで、自然災害に備えた地震対策や治水対策等を実施するとともに、事故に対する行政と事業者による総合的な安全対策を実施してきた結果、国民の安全・安心の向上に相当程度成果を上げてきたが、予想しなかった事例の発生等を背景として多くの国民が今の日本は危険だと感じている。
 近年、大規模地震発生の切迫性が高まっていることや施設能力を超える豪雨が発生しているといった自然的条件の変化が見られるとともに、自然災害、事故、テロ等我が国の内外において発生している事例については、社会構造の変化等に伴って顕在化してきた課題が存在している。このため、真の安全・安心社会を確立するためには、このような課題に適切に対応していく必要がある。

 
図表I-2 自然災害による死者・行方不明者の推移

戦後における自然災害による死者・行方不明者は、5098人にのぼった昭和34年の伊勢湾台風まで、千人規模になる年が多かったが、その後千人未満で推移した。ただし、平成7年は阪神・淡路大震災が発生し、この地震による死者・行方不明者6,436人を含む6,481人となった。
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