第II部 国土交通行政の動向 

(4)自然環境を活用した観光資源の形成

1)サイクルツアーの推進
 サイクリングを楽しみながら地域の魅力をゆっくりと堪能する新しい観光の形態(サイクルツアー)を普及させ、地域の活性化を図ることを目的に、サイクリングロードと観光施設、川の親水施設、港湾緑地等との連携を強化する施策を総合的に推進している。
 自転車道の整備状況や観光資源等を考慮して指定したモデル地区(15地区)においては、サイクルツアー推進計画を策定し、各地区がその計画に基づき、施設整備と各種ソフト施策を一体的に実施することとしている。

 
図表II-2-3-2 サイクルツアーのイメージ

サイクルツアーとは、サイクリングを楽しみながら地域の魅力をゆっくりと堪能する新しい観光の形態であり、地域の活性化を図ることを目的に、サイクリングロードと観光施設、親水公園、港湾緑地、道の駅等との連携を図っている。

2)歩行空間の形成
 歩くことを通じた健康の増進や魅力ある地域づくりを支援するために、豊かな景観・自然、歴史的事物、文化的施設等を結ぶ質の高い歩行空間を形成するウォーキング・トレイル事業を推進している。平成17年度には、石川県金沢市「“いいね金沢”城下町散策路」等15箇所の事業が実施されている。

3)水辺空間の活用
 美しい水辺空間を、多くの人々が集い、憩うことのできる場として利用できるよう、水源地域ビジョンの策定、河川やダム湖を活用した環境の整備、砂防設備の整備等を行っている。平成17年度までに、水源地域ビジョンの策定に着手したダムは100(うち策定済みダムは76(17年4月1日現在))に上り、17年12月末現在、総合水系環境整備事業による水辺空間の環境対策は84水系で、砂防環境整備事業は87箇所で実施している。

4)カヌー・ラフティング等のリバーツーリズム
 カヌーやラフティングを始めとした水面利用や自然体験活動等、河川をフィールドとした活動が活発化、多様化していることを踏まえ、カヌーポート等の舟の乗降に適した水辺の整備を進めるなど、利用者や河川管理者、流域市町村等が連携して、安全で楽しいリバーツーリズム(川を活かした新しい観光の形態)を推進している。
 さらに、これらの活動が盛んになるに従い、事故の危険性も増していることから、「川に学ぶ体験活動推進協議会(RAC)」等と連携して、指導者の育成や利用者に対する啓発等を実施し、安全の確保に努めている。

 
カヌーツーリング(北海道天塩川)



 

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